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相澤染工場に行ってきました(型紙について - 前編)

相澤染工場に行ってきました(型紙について - 前編)

相澤染工場

相澤択哉さんがデザインする藍染のブランド

“ものあい”

その制作の場である、明治時代から続く藍染と江戸染の老舗、相澤染工場さんへ伺って話を聞いてきました。

藍染めといえば、個人的に藍染したTシャツ等を購入したことがあったりと、ある程度馴染みのあるものだったのですが、その深みのある色の独特の風合いに惹かれていました。

“ものあい”のデザインは、型彫という技法が用いられています。それは、ものあいさんのホームページでも説明されているのですが、なんとなくではありますが、すごさは伝わります。

今回は、実際に見せていただけるということでとても楽しみにしていました。

相澤染工場さんについて

相澤染工場さんについて

相澤染工場は、埼玉県八潮市にある創業110年(明治39年)の染工場です。

こちらでは、誂(あつら)え物の印半纏(しるしはんてん)や、暖簾(のれん)の染色加工をされています。

相澤択哉さんはここで、”ものあい”という、相澤染工場の伝統を引き継ぎつつ、今の生活にも馴染むデザインの作品を制作されています。

一口に”藍染”といっても色々な技法があるのですが、今回は、”ものあい”の作品ができる過程の一部を見学させていただきました。

型彫りという技術

型彫りという技術

まずは、型彫という技法から見せてもらいました。

なんと当店の名前である、”hinode”のロゴの下書きを用意していただいていました(!)。

大小、またはその間のいくつかの丸が組み合わせられて、平面上でも立体感のある文字が浮かんでいます。

”ものあい”さんでは、主にこのように丸を組み合わせ、様々な柄をデザインされています。

丸キリという道具

丸キリという道具

“丸キリ”という型紙を彫刻ための道具です。

先端は円形の刃物になっていて円形を彫り抜くことができ、色々なサイズがあるそう。

大きめのものでも、先端はかなり細いです。

型彫りの様子

型彫りの様子

道具の使い方にも独特の技法があり、押し付けて彫り抜くのではなく、丸い刃を少し回転させることによって綺麗な円形を切り抜いていきます。

刃はとても繊細、力加減を間違えると欠けてしまうこともあるそうで、相澤さんも初めて間もない頃は刃をダメにしてしまったこともあったそう。

やはり、とても集中力がいるそうで、作業中はとても真剣な様子でした。

型彫りの様子

細やかな作業なのですが、あっという間に穴が空いていきます。

型紙の完成

型紙

“一つでもずれて穴が繋がったりすると、そこで型紙がダメになってしまうので、普段は集中力が切れそうになると一旦休みます。笑” と相澤さん。

確かに複雑な柄になってくると時間もかかり、やり直しが出来ない非常にシビアな世界。そのような仕事をされている相澤さんですが、穏やかな人柄は印象的でした。

のりを塗っていく、”型付け”

型付け

染色するときに文字の部分に色がつかないように、型紙の上から刷毛で糊を塗っていきます。

この糊は”防染糊”といって、もち米と糠で作られていて藍色に染まることを防いでくれます。また、水で洗うとすぐに落ちます。

防染糊(ぼうせんのり)が入った入れ物

防染糊(ぼうせんのり)

「この糊を作るのに時間がかかりますね」

防染糊は大きな釜で半日ほど煮詰めて作るそう。

藍染めといえば、”染色”というところに意識がいっていたのですが、材料の準備など、自分たちが気づかないところの手間が非常にかかっているということに驚きです。

防染糊

型紙を慎重に剥がします。

マスキングテープは使わず、おが屑で

型紙を慎重に剥がします

hinodeの文字が浮かんでいます。作業中に崩れないように、おが屑でマスキングします。

ウロコ模様を出すために

型紙を慎重に剥がします

今度は別の型紙を乗せて模様をつけます。

“ものあい”デザインのうろこ模様。糊はできるだけ均一になるように塗るのがコツだそう。

一枚だけ塗らせてもらいましたが、均一にするのはなかなか難しかったです。

型紙を外すと模様が

型紙を慎重に剥がします

小さな丸の柄は薄く、大きな丸の柄は濃く見えます。この糊の付いた部分が染まらずに模様になります。

hinodeの文字と一緒に、どのように染まるのか。

相澤さんの塗ったのりは、糊が均一にのっている

相澤さんの塗ったのり

ぽこぽこと糊が乗っています。

型紙について

型紙について

型紙は防水性のものが使われています。

“渋紙”という柿渋で染めた紙が昔ながらのものらしいのですが、今では貴重になっているので”洋型紙”という紙を使っているそう。

長い布に模様をつけるときには、一枚の紙につけてある”おくり”という小さな穴を目印にして、その目印に合わせて型紙をずらして模様を繋いでいくそうです。

上の写真は洋型紙でつくられていて、右端に見える小さな穴が”おくり”です。

いつ作られたかさえ分からないほど古い

古い渋紙の型紙

繊細な模様の古い渋紙の型紙です。

ところどころ千切れてしまってはいましたが、大事に保管されていました。相澤さんもこの型紙で型染めをしたことがあるそうで、とても格好良く仕上がったそうです。

細かすぎる…花模様の渋紙

花模様の渋紙

とても複雑で細かな模様。花びらなどがきっちりと繋がっていることには職人さんの技量を感じます。

型彫はとても時間がかかり神経を使う仕事なので、今では少なくなったそうですが、昔は型彫専門の職人さんも多かったそうです。